自律神経失調症に長年苦しんできた経験と周囲の理解について

自律神経失調症の最大の難点・理解のむずかしさ
自律神経失調症は、一般的に外見上の症状が見られないため、周囲の人々が病気の深刻性を理解しにくいことがあります。しかし、この病気は本当に苦しいものであり、周囲の人々に支援を求めることが重要であり、周辺の人や、企業などの組織・公的機関においても、理解されていくことが、もっとも重要だと思います。
自律神経失調症の症状に長年苦しんできた経験
私の場合は、まったく周囲の理解が得られず、孤独な日々を送ってきました。
私に対しては「もっと頑張れ」「みんなそれぞれ頑張ってる」「なまけてる」「甘い」と言われるばかりした。しまいには、頑張れなかった、引きこもって泣いているだけだった私に対する「人格を揶揄する言葉、それをわざわざ教えてくる言葉」など、症状はどんどん悪化していく一方でした。
そうして、一時期は、投げやりな生活を送ったり、引きこもってじ◎つを考えるような年月も経験しました。
しかし、インターネットの普及で、様々な人々のブログなどを読んでいるうちに、日本には、いや、世界には、同じように悩んでいる人たちが沢山いることを知りました。
そして、自律神経失調症に苦しむ人たちだけでなく、その家族や周囲の人たちにも理解を求める必要があると強く感じました。
どうしたら、それぞれの悩みや体調などについてサポートしあって社会を形成していけばよいのかと考えました。そのような社会づくりが必要だと考えます。
経験からも、強く言えることですが、家族や友人、同僚など、周囲の人々が自律神経失調症について正しく理解することが最も必要です。そして、できる範囲ででもいいから、患者のケアやサポートを行うことがもっとも重要です。
ケアやサポートとは、老人介護や保育のサポートのように時間や体力を最大限に使うという意味ではなく、ゆとりある声掛け、リラックスできる言葉の声掛け、それひとつの問題でもだいぶ違うと思っています。
自律神経失調症の人が、まずやるべきこと
「やるべき」という言葉も、自律神経失調症の人には脳内リフレインしてしまいますが、今回の記事は、その周辺の人々、広く一般の人たちの理解を求めたいので、解り易い言いきりの表現とさせていただきます。
自律神経失調症の症状がある人は
1.病気について、周囲に説明する
自律神経失調症について説明することで、病気の症状や影響を理解してもらえるかもしれません。簡単な説明を提供し、症状について話し、病気がどのように日常生活に影響を与えるかについて説明することが重要です。その「説明をする」という行動は、「誤解されそう」で怖いかもしれませんが、まずは、一番理解してくれそうな身近な人に説明するところからスタートしましょう。理解者がひとりでもできると、ずいぶん楽になります。
2.医師の診断を示す
「自律神経失調症の診断を受けた」ことを示す医師の証明書や診断書を提示することで、病気の重要性を示すことができます。3.サポートグループに参加する
自律神経失調症のサポートグループに参加することで、同じ病気を抱える人々と交流し、彼らからの支援やアドバイスを得ることも心理的な不安の軽減につながります。
自律神経失調症の人が身近にいる方がやるべきこと
ざっくりとですが、自律神経失調症の症状などです。
自律神経失調症の症状
自律神経失調症は、交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、様々な症状を引き起こす病気。
疲労感、めまい、頭痛、胸痛、息切れ、吐き気、下痢、便秘、手足のしびれ・ふるえ・・痛み・冷え
これらが、すべて表面に出るわけではありません。個人差があります。しかし、一般的には、これらの症状が複合的に現れます。
自律神経失調症とは、私たちの自律神経という”自分でコントロールできない神経系”がバランスを崩し、様々な症状を引き起こす病気です。
自律神経は、体の機能を調節し、自然治癒力を高める働きを持っています。交感神経はストレス時に活発に働き、副交感神経はリラックス時に活発に働きます。しかし、自律神経失調症ではこのバランスが崩れ、症状が現れます。
具体的な主な症状が現れることがあります。
・疲れやすく、体力が落ちている感じがある
・めまいやふらつきがある
・頭痛や頭がボーッとする感じがある
・胸が圧迫されるような痛みがある
・息苦しさや呼吸困難がある
・吐き気や嘔吐がある
・腹痛や下痢、便秘がある
・手足のしびれや痛みがあるこれらの症状は、日常生活に大きな影響を与えることがあります。たとえば、疲れやすさやめまいがあるために、通勤や通学、家事などの日常的な活動が困難になることです。
ストレス、不規則な食生活、運動不足、睡眠不足などの生活習慣の乱れが原因とされています。
◇まずは生活習慣の改善
……とはいうものの、私のようなシングルマザーとして朝昼晩働きながら子育てをして生きてきた立場では、生活習慣の乱れを改善するのはなかなか難しい問題でもありました。
今ほど、シングルマザーに理解はなく、役所でさえも「好きでシングルになったのだから」「今はそういう人沢山いるのでなんとか頑張ってください」とまで言われた経験があります。
今は、情報も公的機関の福祉などの窓口等、充実した情報があります。若い人は、まずはインターネットで情報を得たりするのもよいし、まず一番最初に公的機関に相談してみるのがいいでしょう。
適度な運動・十分な睡眠、リラックスする時間
まず生活習慣の改善が基本であり、規則正しい生活が理想ではあります。そして、適度な運動、十分な睡眠なども外せない重要なことです。
ストレスを減らすために、リラックス法や瞑想、趣味などを取り入れることは、経験上解りますが、とても効果的で重要です。
自律神経失調症の人が身近にいる場合の具体的なサポート
周囲の人々が自律神経失調症を理解し、支援してくれることはとても大切です。具体的には、病気の症状や治療法について理解することから始めましょう。
自律神経失調症の人を身近な人が支援するポイント
病気の症状や治療法について理解する。
まずは、自律神経失調症の症状や治療法について理解することが大切です。患者さんにとって大切なのは、周囲の人たちが病気を理解し、支援してくれることです。
患者さんのペースに合わせる
自律神経失調症の患者さんは、体調が急激に変化することがあります。そして、それを当事者本人が最も恐れるために、引きこもりになったり、鬱になったり、症状を悪化させていきがちです。
自律神経失調症の人は、「周りに迷惑をかけたくない」「もし体調を崩したら、周りに迷惑をかけてしまう」という気持ちが先行し、外部との接触を避けて暮らすようになり、症状を悪化させる結果を招きかねません。
そのため、身近な人が行う支援は、患者さんのペースに合わせて行うことが大切です。
これを、ちょっと前までは「甘えている」「考えが甘い」「体力つけなきゃダメ」「◎◎すれば気分が晴れる」「考えすぎ」「ノイローゼになっている」「怠けものなだけ」「頭がおかしくなった」などと揶揄されて、人格までそのような印象で受け取られるケースも多かったのが自律神経失調症です。
身近な自律神経失調症の人が治療やケアをうけるために
✤してあげるアプローチ
治療を受ける際は、付き添いや同行をしてあげることがベストです。
・心のサポート
自律神経失調症は、ストレスや不安が原因となることが多いため、心のサポートが必要です。患者さんの話を聞いてあげることや、一緒にリラックスすることも有効です。
・ポジティブなアプローチ
患者さんが落ち込んでいるときには、ポジティブなアプローチを心がけることが大切です。
✤してはいけないアプローチ
しかし、いくらポジティブな励まし方だといっても、「一緒に頑張ろう」と言う言葉、「頑張ろう」と言う言葉は、もっとも自律神経失調症の人がプレッシャーになる言葉でもあります。
自律神経失調症は、ストレスやプレッシャーが原因となることが多いため、さらにプレッシャーをかける言葉は逆効果になることがあります。代わりに、「一緒に気楽にやりましょう」や「無理をしなくても大丈夫です」といった、プレッシャーをかけない言葉を使うことが有効かもしれません。
また、「あなたのペースで進めましょう」といった、該当する人のペースに合わせた言葉も良いでしょう。
自律神経失調症である人の気持ちに寄り添い、優しく支援することが大切です。自律神経失調症の人自身も、自分のペースに合わせた治療や生活習慣の改善が大切であることを理解している場合がありますので、それを尊重することも重要です。
自律神経失調症の人に日常生活で寄り添うために
ストレスの軽減
自律神経失調症は、ストレスが原因となることが多いため、ストレスを軽減することが大切です。ストレスを感じたときに話を聞いたり、リラックスする方法を一緒に探したりすること。
規則正しい生活習慣のサポート
規則正しい生活習慣は、自律神経の調整に役立ちます。食事や睡眠、運動の時間を一緒に決めて、サポートすること。
適度な運動のサポート
運動は、自律神経の調整に役立ちますが、無理な運動は逆効果になることがあります。運動の量や種類を一緒に決め、サポートすること。
医療機関への付き添い
自律神経失調症の治療は、医師や専門家の指導の下で行うことが重要です。医療機関への付き添いや、治療に必要な情報を一緒に収集することが役立ちます。
心のケア
自律神経失調症は、身体的な症状だけでなく、心理的な症状を引き起こすことがあります。一緒に話を聞いたり、気持ちを共有することが大切です。必要に応じて、その近親者も良きアドバイザー、サポーターになるべく、専門家のサポートを受けることも考えてください。
自律神経失調症の人にも、その年齢・おかれている環境、持病の有無、体質、本人の人生における出来事や背景、金銭的な情況などで、個々に様々な問題がベースにあることがほとんどです。
日常生活で寄り添うためには、その、個々人、それぞれに合わせたサポートも必要です。
自分でできないことを手伝ったり、一緒に行動することで、心身ともに健康的な生活を送ることができます。
サポートしていく側も、医師や専門のカウンセラーなどに良いアドバイスを受けることをお勧めします。
※経験の基づくことで説明させていただきましたが、一部、参考確認させていただいたのが以下の資料です。
日本自律神経学会『自律神経失調症診療ガイドライン2017』
https://www.jasmp.jp/guideline/guideline2017.pdf
厚生労働省『自律神経失調症に関する情報』
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000084389.html
日本臨床心理士会『自律神経失調症に関する資料』
https://www.jcpanet.org/kikaku/kokumin-kenkyu/self-ns.html
これらの情報源から、自律神経失調症に関する基礎的な知識や診療・治療に関する情報、日常生活でのサポート方法に関して、あらためて確認させていただき、記事にまとめました。